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ホテルの客室清掃、プロの仕事とは?

〜現場スタッフが語る「きれい」の裏側〜

ホテルにチェックインしたとき、整ったベッドや清潔なバスルームにホッとする——そんな快適な空間は、清掃スタッフの手によって一つひとつ丁寧に作られています。

今回は、私たち客室清掃スタッフがどのような流れで仕事をしているのか、「現場実務の視点」からご紹介します。普段は見えない“きれいの裏側”を、ぜひご覧ください。


【1】チェックアウト後、まずは部屋の状態確認

お客様がチェックアウトされた直後の部屋に入ると、まず最初に行うのが「室内の状態チェック」です。
忘れ物がないか、備品の破損や汚れがないか、異常がないかを目で見て確認します。万が一忘れ物があった場合には、フロントや管理部門にすぐに連絡します。

この工程が、次のお客様の快適な滞在への第一歩です。


【2】リネン類の回収とごみの分別

ベッドシーツや枕カバー、バスタオル、バスマットなどのリネン類はすべて回収します。
その後、ごみの分別を行います。ベッドの下、引き出しの中、洗面台の下など、見えにくい場所も丁寧に確認し、清掃漏れがないよう注意しています。


【3】バスルームは衛生第一で徹底清掃

バスルームは特に重点を置いて清掃を行います。
鏡の水垢、蛇口のくすみ、排水溝のつまり、トイレの清潔さなど、細かい箇所までしっかりと磨き上げます。
湿気が多くカビが発生しやすい場所でもあるため、換気のチェックも忘れません。


【4】ベッドメイキング:プロのこだわり

次にベッドメイキングです。
シーツはシワなくピンと張り、枕やクッションの位置もまっすぐ整えます。目に入る印象が部屋全体の「きれいさ」を左右するため、1cm単位でこだわるスタッフもいるほどです。

ふかふかで清潔なベッドは、お客様にとって何よりの癒し空間。丁寧な仕上げが、心地よい眠りにつながります。


【5】備品の補充と動作確認

清掃の仕上げとして、ティッシュ、歯ブラシ、タオルなどのアメニティ類を補充します。
冷蔵庫、ドライヤー、電気ポットなどの電化製品についても、動作確認を行い、不具合があれば速やかに報告・交換の手配をします。

「あるべきものが、あるべき状態で揃っている」ことは、ホテルの基本です。


【6】最終チェックは“お客様の目線”で

最後に、スタッフ自身が客室全体を見渡し、「お客様の目線」で確認を行います。
照明の明るさ、匂い、床の髪の毛など、実際に宿泊する立場に立って見直すことで、見落としのない仕上がりになります。


おわりに

ホテルの客室清掃は、単に“きれいにする”作業ではありません。
「次のお客様が安心して気持ちよく過ごせる空間を作る」——それが私たち清掃スタッフの使命です。

一部屋にかける時間は限られていますが、その中で最大限の丁寧さと効率を追求し、毎日多くのお部屋を整えています。
清掃の現場は地道な仕事ですが、お客様の「ありがとう」や笑顔が、何よりの励みになっています。

今後も安心・快適な滞在を支える“縁の下の力持ち”として、誠実な仕事を続けてまいります。